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削除していいの?伝説のWordPressプラグイン、Hello Dollyの正体

削除していいの?伝説のWordPressプラグイン、Hello Dollyの正体 Web

これは単なるプラグインではありません。Louis Armstrong が歌った最も有名な二つの単語「Hello, Dolly」に要約された、世代全体の希望と熱意を象徴しているのです。

出典:Hello Dolly – WordPress プラグイン | WordPress.org 日本語

大層な説明文とともにWordPressにプリインストールされているプラグイン、その名も「Hello Dolly」。

サッチモ御大への畏怖の念がそうさせるのか、なにやら迂闊に削除してはいけないような気持ちにすらなってしまうこのHello Dollyですが、プラグインの意図はいったい何なのでしょうか。

Hello DollyはWordPressの礎、記念碑的なプラグイン

このプラグインを有効化すると、すべての管理画面の右上に Hello, Dolly からの歌詞がランダムに表示されます。

出典:Hello Dolly – WordPress プラグイン | WordPress.org 日本語

Hello Dollyを有効化することで得られる効果は、上記の説明の通りです。それ以上でもそれ以下でもありません。

こんなふうに、画面右上に歌詞の一節がランダムで表示される

Hello Dollyの作者=WordPressの開発者

どんなつもりでMatt Mullenwegという作者はこんなものを、と思ってしまうかもしれませんが、何を隠そうこのMatt Mullenweg(マット・マレンウェッグ)こそがWordPressの産みの親、すなわちWordPress自体の開発者なのです。

2003年5月、Mike Little(マイク・リトル)らと共に初版となるWordPress0.70をリリース。マレンウェッグは当時弱冠19歳という若さでした。

公式コミュニティに掲載されているプラグインだけでも60,000近く存在します。そんな中で現在までデフォルトプラグインであり続けるのは、マレンウェッグの愛着、もしくは遊び心といえるでしょう。あるいは世界のシェア40%超えを誇るCMSを世に放った人傑へ、現在の開発チームが見せるリスペクトの表れでもあるのかもしれません。

なぜルイ・アームストロングなのか

「歌詞をランダムに表示する曲」にLouis Armstrong(ルイ・アームストロング)のHello Dollyを選んだことには、マレンウェッグの精神性や音楽的嗜好などが関わっているものと推察されますが、本当のところは分かりません。

WordPress のコア開発者たちはジャズミュージックが好きです。

出典:歴史 | WordPress.org 日本語

ただし公式サイトで上記の通り明言されているように、WordPressがバージョンアップする際のリリースにはいずれも歴史的なジャズミュージシャンの名前にちなんだコードネームが付されています。

AppleがmacOSのコードネームを本社のあるカリフォルニア州の地名に揃えているように(10.8以前はネコ科の動物名でしたが)、マレンウェッグを含めたWordPressの主要チームの中にもジャズへの並々ならぬ愛着が存在し、そのことが記念碑的に長く残るプラグインの主題に“キング・オブ・ジャズ”ルイ・アームストロングを用いることに繋がった、と見ることもできそうです。

Hello Dollyは削除しても大丈夫

「プラグインを追加」で検索すれば再インストールも可能

そうした人や会社の歴史を知るとなおさら削除しにくくなるのが人情ですが、よほど「Hello Dollyの歌詞の一節をランダムに見ながら編集作業を行いたい」という場合でなければ無効化もプラグイン自体の削除も行なって問題ありません。誤って削除してしまった場合でも、再度インストールし直すことは可能です。

いつかウェブサイトの構築作業が行き止まったら、Hello Dollyのことを思い出してください。基本に立ち返ることができるかもしれませんよ。「これは単なるプラグインではありません」から。

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